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不動産コンサルタント 天野 博 【2008年秋のシーズン、買い手市場続く】 《春から夏にかけて、在庫増加し需給関係変化》 本年春から夏にかけて、景気後退が鮮明になるとともに、住宅市況は悪化の一途をたどってきました。在庫増加と買い手の減少、需給関係は売り手にとって悪い方向への変化が続いています。マンションをはじめ住宅市場ではすっかり「買い手市場」となっているのです。たとえば、都心4区(上、中、下、東山)の中古マンションの在庫(販売中物件の総数)は300戸台半ばです。5年ほど前の不況期に、おなじ都心4区の在庫は200戸台なかばまで増加しましたが、当時に比べて5割ほど多い状態が本年はじめから続いているのです。新築マンション、戸建て市場でも、価格調整が本格化するでしょう。 ※参考資料マンション在庫一覧表08(pdfファイル) 折から、アメリカ発の「金融恐慌」回避で世界中が大わらわになり、まったく見通しがたたない状況となりました。少なくとも来年前半まで、買い手市場が続くものと予想されます。 一方、先行して値を下げてきた物件には、実需のユーザーの動きが顕在化し、一部に市況活性化の可能性も垣間見えます。特に都心の不動産が安くなり、周辺からの買い換え層や退職者などの都心志向に弾みをつける情勢です。 《公的地価に唖然、くりかえされるミスリード》 国土交通省が9月18日、発表した基準地価(2008年7月1日現在の地価)は、3月公表された地価公示に続いて「三大都市圏平均では上昇幅が縮小した」と。なお地価が上昇傾向にあるように言っています。おかしなことです。お役所のすることはまったく理解できません。私が市況レポートで詳しく解説してきたように地価は2006年秋から調整局面に入り、昨年春以降、値下げ局面に転じています。とくにこの半年間は、地価下落は誰の目にでも明らかです。「公的地価」はもともとそういういい加減なものなのでしょうか。消費者をもし、ミスリードするとしたら、その責任は少なくはないでしょう。農林水産省次官は「汚染米」の情報公開に遅れをとって更迭されましたが。 地価公示では遅行指数といって、まだしも言い訳できたでしょうが、基準地価格はこの半年の地価の変動を示す責任があるでしょう。なにはともあれ、増税のためかどうか、公的地価を下げたくない理由があると邪推したくなりますね。 《新景観政策、調整が迫られる》 この基準地価によれば、京都市中心5区(北、左京、上、中、下)の商業地は1.8%、住宅地が1.3%の上昇としています。「昨秋からの新景観政策で建築物の高さの上限が引き下げられ、建築可能な延べ床面積が減少したことなども影響した。」(日経新聞、08年9月19日)と解説されています。それで、上昇とはどういうことでしょうか。実際には大きく下がっているのです。高さが31m(11階建て)から15m(5階建て)に規制されたら、地価が半分になってもおかしくない話ですし、だれにもわかることです。 私たち不動産業者の団体、京都府宅地建物取引業会、川島会長のじきじきの依頼で、京都市に対する新景観政策の不合理な部分の見直し要求をもとめる活動に参加しました。この活動はマスコミが大きく報道していますが、私たちの要求に対して、京都市がどういう答えを出すのか、各方面の注目が集まっている状況です。住宅をはじめ不動産市場に詳しい専門家が、国にも京都市にもいないということが指摘できます。私たちも、積極的に発言して、市場の実情について消費者や行政の理解を深めていきたいと考えます。 不動産コンサルタント 天野 博(業歴 36年) |
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不動産コンサルタント 天野 博 【2008年春のシーズン、低調】 《買い手市場へ転換》 本年に入って、「買い手市場」へすっかり様相が変わりました。土地、一戸建て、マンションとも市内全域で在庫(販売中の物件総数)が増加しています。この春はシーズンなのに買い手の動きが低調で売買が成立せず、売れ残ったまま、在庫が減らないのです。しばらく、買い手市場の様相が強まっていくものと考えます。これからも、先安感は広がっていき、買い手の動きは慎重で売買は成立しにくい状況が続くでしょう。不動産業者の手持ち在庫処分が一巡するまで、底が見えにくい状況です。 ただ、先行して値を下げてきた、都心の中古マンションは買い手の動きが顕在化し、1月をピークに在庫が減少に転じています。都心マンション市場の活性化が市場動向にどういう影響を与えるのか、関心を持って見守りたく思います。不動産市場には複雑な要素もあります。 《くりかえされたミスリード、地価公示の不思議》》 この3月公表された地価公示は、地価が上昇傾向にあることを明らかにしました。しかし、私が市況レポートで詳しく解説してきたように地価は2006年秋から調整局面に入り、昨年春以降、値下げ局面に転じています。昨年秋からは新景観条例施行の影響もあって、地価は大きく値下がり始めました。 それでは、どうして地価公示では地価が上昇するのでしょうか。それは遅行指数といって、公示地価は変化の後追いをする傾向があるからです。評価に当たる不動産鑑定士も実際には地価が下がっていることをわかっているのですが、「データ不足」を理由に修正しないのです。2008年の地価公示は消費者に間違ったメッセージを送ったことになります。 政府はこういうことを平気でしてしまいます。かってのバブル崩壊でも同じことをしました。1990年春から地価が下落していたにもかかわらず、1991年3月の地価公示は上昇としたのでした。これを真に受け、転換点を見誤った大手銀行は深刻な経営不振に陥り、とうとう破綻するところも出てしまったのでした。 私は京都新聞(08.3.25朝刊)で実際には地価が下がっている旨、コメントし読者に注意を促しました。バブル崩壊の二の舞が起こらなければ良いのにと思わずにはいられません。バブル崩壊を経験した人は金融機関でも不動産業界でも少なくなりました。経験者の多くは不況の入り口にならないよう、不動産市場活性化策が求められている状況だと認識していることでしょう。 不動産コンサルタント 天野 博(業歴 36年) |
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不動産コンサルタント 天野 博 《買い手市場へ変化》 長岡京の有力業者が「昨年前半、およそ350件ほどであった売物件が2月現在、およそ600件にもなっている」と阪急沿線(長岡京、向日、山崎)の在庫動向を話していました。今、新築マンションの売れ行き不振がマスコミで伝えられるようになっています。本年に入って、「買い手市場」へ大きく変わリました。市内全域および近郊では在庫(販売中の物件総数)が積みあがる現象が出ています。 《都心も売り物件急増》 この間の地価上昇に一番敏感に反応してきた、中古マンション市場も大きく変化しつつあります。中京区では昨年4月に価格のピークを迎え、その後じりじりと下落し、昨年秋にはおよそ20%ほどの下落幅となりました。 この1月末現在の在庫は都心部(中京、上京、下京、東山)で、300戸を超えましたが、これは2004年以前の不況期の水準です。この在庫増加はこれまでの価格上昇を帳消しにしかねない勢いです。 都心では土地、戸建て住宅、新築マンションいずれも在庫が増加に転じています。市況は緊迫し価格動向もまったく予断をゆるさない状況です。一部の特徴のある物件を除いて価格調整はさけられないでしょう。市況動向にご注目していただきたいと思います。 《《京都市長選挙で景観条例の評価が争点に》》 新人候補二人が「撤廃」または「全面的な見直し」を唱えたことから、京都市長選挙で「新景観条例」が争点となってきました。 当初、有力候補二人は景観条例推進派でしたから、論争が起きるのを期待していなかったのですが、意外な展開となりました。私は取材に応じて発言しましたので、ご覧下さい。読売新聞、産経新聞です。朝日新聞は私がかかわっている「不適格マンション管理組合懇談会」の動きを大きく伝えています。このほか京都新聞紙上でも「既存不適格マンション問題」でコメントする機会がありました。 不動産コンサルタント 天野 博(業歴 36年) |
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不動産コンサルタント 天野 博 <<政策不況へ>> テレビ大阪の人気番組「ワールドビジネスサテライト」が11月16日、建築業界、不動産業界に生じている深刻な事態について特集し、「政策不況」とコメントするにいたりました。一昨年の姉歯問題の再来を防止するため、政府は建築基準法を改正し、建築確認制度を事実上「許可制度」に変更しました。従来、建築確認そのものには行政責任がほとんど無かったものを、申請書を厳重にチェックすること、中間検査や完了検査の実施などにより、欠陥建築物の排除を図ろうとしています。 建築基準法改正とともに、建築士法も改正されます。これらは「住宅不足」を前提にした戦後体制の清算とも言うべき画期的な法改正です。また、住宅の瑕疵担保責任を確保するため、新たな保証制度も導入されることになりました。消費者には安心して家を購入できる時代へ移行しようとしているのです。 <<新商品の供給が大幅に減少>> 欠陥住宅の防止策のため、あまりに厳しいチェックシステムを導入したことから、そして事前の周知策が不十分だったため、新しい建築確認制度が大混乱に陥っています。建築確認がおりないため、マンションやビルなどの工事ができないまま、半年を過ぎようとしているのです。今なお事態は改善されない様相で、建材などの関連業界を巻き込みつつあります。 景気にも大きな影響を与えるでしょう。「9月〜12月」はマイナス成長と「ワールドビジネスサテライト」でエコノミストが話していました。不動産や建築業界はこの危機をいかに乗り切るか、先行きへの不安感を強めています。 <<新商品激減、品薄感深まる>> おりから、京都は新景観条例施行による混乱が拍車をかけ、新商品の供給がストップし、いっそう景気を悪化させています。京都における新築市場はマヒ状態に陥って、新しい商品を供給できず在庫整理がすすまない異常事態が長期に渡って続きそうです。私は9月、10月と、日本経済新聞、毎日新聞紙上で不動産価格がピークアウトし下落傾向にあるとコメントしましたが、都心のマンションをはじめ住宅価格は本格的な調整局面に入ったところでした。 しかし、下落局面で通常見受けられる在庫が増加せず、買い手市場への変化を見ないまま、「品薄」のもと価格調整が行われる可能性が高くなっています。複雑な、予想しがたく、大変難しい局面です。かってない市況となるようです。これは90年代のバブル崩壊とは異なる新たな事態です。 消費者の皆様は品薄のため、選択幅が広げられず、せっかくの価格下落を有利に利用できないことも考えられます。来年の住宅市場はまったく予断を許さない状況となりました。 |
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